結構おすすめ、「リアル鬼ごっこ」
正月休みの間に洋画・邦画をたくさん見ましたが、一番面白かったのが「リアル鬼ごっこ」、内容はありきたりなものの、涙腺を見事に崩壊させられたのが「犬と私の10の約束」でした。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は面白かったものの、「ジャンパー」「NEXT」といった大作洋画は私的には全く面白さがわからない作品で、ツタヤ半額デーの180円返せ!といった出来。ところが「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」など、去年後半ツタヤで新作から準新作に切り替わった邦画は良作の宝庫です。
さて、「リアル鬼ごっこ」。制作費1億円といっても、人件費とか昼の弁当代とかでそれだけかかっているんじゃないかというくらいお金をかけてないなあとすぐわかります。
鬼ごっこの首謀者である王様の宮殿内部などは、昔の仮面ライダーとかレインボーマンとかの悪のアジトのセットのような感じで、ビルのテナント募集中の空室だけで撮影したんだろうなという映像ばかり。
-----★-----★-----
にも関わらずこの映画、最初から最後まで、こちらを惹きつけて離さない魅力に溢れていました。
主役の佐藤翼役の石田卓也さんは2005年にキネマ旬報新人賞を取った俳優さんで、「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」では一番の悪ガキだけど妙に優しい西条くんを演じていた人です。
原作は西暦3000年に起こった事を描いた小説ですが、映画版は現代であり、パラレルワールドを股にかけた鬼ごっこ。
パラレルワールドっていうのは同じ時間軸を持つ空間(ワールド)が無数にパラレルに存在していて、それぞれのワールドに自分がいる、という古典的なものです。あるワールドである人が死ぬと、別のワールドでも同じ時刻にその人は死にます。
物語の発端は、翼が生きているワールドで「佐藤」という名字の人が次々と謎の死をとげている場面から始まります。
その瞬間、別のワールドでは「佐藤狩り」が行われていて、それはそのワールドの王様が「佐藤という名字が多すぎる!これは自分だけでいい。7日間佐藤姓の人を鬼ごっこして追いかけて、捕まった佐藤さんは死刑、逃げ切った佐藤さんには望みのものを分け与える。たくさん捕まえた鬼も望みを叶える。」との号令を発したわけです。
-----★-----★-----
そんなわけで、ひょんな事からワールドをワープしてしまった佐藤翼くんは、鬼においかけられる事になるわけです。
そこにはそのワールドで生活している妹や父もいますし、そのワールドでこの人達が死んだら、元々自分がいたワールドでもこれらの人は死んでしまう、自分も助からないといけないし、この人達も助けなければならない…、というのが話の胆。
で、翼くんもクライマックスで言うのだけど、この映画の怖いところは、当事者以外にとってはどうでもいいこと、ってところにあるわけです。
つまり、佐藤姓の人と、鬼になって一人でも多くの佐藤さんを捕まえて減刑してほしい受刑者、の当事者以外は普通に生活しているわけで、各家には普通に洗濯物が干してあったり、道路は普通に渋滞してるし、テレビ局は鬼ごっこを客観的に中継している、という状況がシュール。
-----★-----★-----
映画として成り立っているのは、佐藤狩りの理由が「佐藤姓の人が多すぎる」というものではなくて、実は深い理由があるからなわけですが、それにしても石田卓也さんは窮地の中で、実に爽やかな演技をするんですよねえ。
ぬぅぼぅとしている柄本明さん、翼の妹で、実はパラレルワールドに深く関わっている佐藤愛役の谷村美月さんと、芸達者な人が揃っています。
ちなみに、翼くんがワールドワープをしてしまったワールドで、鬼ごっこ命令を出した覆面姿の王様が、元々生活していたワールドでは誰にあたるのかは、翼くんはわからなくても、その話し方で、映画を見ているこちらはすぐにわかってしまったのが、ちょっと作りの甘いところでしょうか。
何はともあれ、展開にスピード感があって結構お奨めな一作でした。是非どうぞ。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 『レッドクリフ Part1』(2009.04.13)
- 『おくりびと』(2009.04.05)
- 第81回アカデミー賞(2009.02.24)
- 感動の王道『奇跡のシンフォニー』(2009.01.29)
- 落ち込みたい人に『ミスト』(2009.01.17)






コメント